wrtn(リートン)はWebブラウザ上で利用可能な文章/画像生成サービスです。
様々な生成AIモデルを無料で利用可能なのが特徴であり、ChatGPTライクなインタフェースでありながらStable Diffusion XLによる画像の生成も可能です。
運営組織は韓国の企業であるリートンテクノロジーズというスタートアップ企業であり、CES2023で賞を受賞した経歴があることから技術力の高さが伺えます。
アクセス&アカウント登録方法
wrtnの機能をフルに使用する場合アカウント登録が必須です。
1. Webブラウザからwrtnにアクセスする
ブラウザからhttps://wrtn.jp/にアクセスし、画面右上の「ログイン」をクリックします。
2. ログイン方式を選択する
任意のログイン方式を選択します。
2024年2月時点で選択可能なログイン方式は以下の通り。
- Eメールアドレス&パスワード認証
- LINEアカウント連携
- Googleアカウント連携
3. ログインできていることを確認する
トップページの画面右上にアカウント名が表示されていればログインは正常に完了しています。
利用料金について
2024年2月時点において、wrtnは完全無料で利用可能です。
wrtnで出来ること
wrtnでは複数の候補から任意の生成AIモデルを選択肢、文章や画像を生成させることが可能です。
GPTを使用して文章を生成する
OpenAIが開発した生成AIモデルの一つであるGPTを使用して文章を生成させることが可能です。
試しに以下の文章を入力した結果を見比べてみましょう。
日本国憲法第3章の内容を子供向けに分かりやすく日本語で書き換えてください。
また、書き換えた文章を英語に翻訳してください。
GPT-3.5
GPT-3.5の特徴として「回答速度が早い」としています。
実際に回答速度は早く、生成された文章にも一応破綻は見当たらないようです。「大切」というワードを多用しすぎて馬鹿っぽくなってはいますが。
GPT-4
GPT-4の特徴は「賢い回答」とのことです。この説明文自体が賢さ低い気がしますが…
GPT-3.5と比較してより口語的な表現になっているほか、文章の一貫性が保たれており破綻もありません。
文章そのものが幼稚なのは「子供向け」と指定したからでありGPT-4が賢くないわけではありませんね。よく出来ていると思います。
GPT-3.5-16k
GPT-3.5-16kの特徴は「長文で回答」です。長文で回答することがメリットかどうかは微妙なラインですね。
そもそものオーダーが要約に近いのであまり長文にはなりませんでしたが、それはそれとして「義務」の話はどこにいきました?
(参考)YouChat
ご参考までに、文章生成AIサービスの一つであるYouChatで利用できる「GPT-4」機能にて、同様の質問を投げた際の回答がコチラです。
非常によくまとまっているように見えますが、「義務」の解釈ってこれで合ってますかね?
Cluadeを使用して文章を生成する
Anthropic社が開発した生成AIモデルであるClaudeを使用して文章を生成させることが可能です。
Anthropic社はOpenAI社の元従業員で構成されている組織なのでまぁなんというか思うところはいくつかありますが、それはそれとして以下の文章を入力して結果を比較してみましょう。
wrtnのキャッチコピーを日本語で10個生成してください
Claude Instant
Claude Instantの特徴は「回答速度が速く、自然な回答」とのことです。
うーん……センスの問題かなぁ。回答速度は確かに速かったですが、自然かどうかと聞かれるとなんとも言えませんね。
Claude 2.1
Claude Instantの特徴は「自然で分かりやすい回答」とのことです。
自然という意味ではこちらのほうが断然良いですね。
(参考)Bing AI Chat
マルチモーダルな生成AIサービスの一つであるBing AI Chat(Microsoft Copilot)でも同様の質問を投げてみました。
Claude 2.1と似たようなセンスがあることが伺えますが、Bing AI Chatのほうは表現のスケールが大きいように感じます。
PaLM2を使用して文章を生成する
Google AIが開発している生成AIモデルの一つであるPaLM2を使用して、文章を生成させることが可能です。
それでは以下の文章を入力してみた際の回答を見てみましょう。
ジャンルは問わないのでおすすめの生成AIサービスを3つ、理由付きで挙げてみてください
PaLM2
PaLM2の特徴は「回答速度が速く、読みやすい回答」とのことです。
読みやすいのは間違いないのですが、なんというか情報が古くないですかね?
2024年2月時点だとGPT-4やDALL-E3が一般公開されていますし、LaMDAはBardなどに使用されているモデルですが現在だとややレガシーな印象です。
(参考)Gemini
マルチモーダルな生成AIサービスの一つであるGemini(旧:Bard)でも同様の質問を投げてみました。
こっちも微妙に古いような気はしますが、まだ妥当な結果には思えます。Bardは自社プロダクトなので推したいですよねって感じで。
ちなみに添付画像では見切れていますが3つ目のAiサービスは「Murf.AI」でした。
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なお、wrtnでは上記で紹介した文章生成の精度や回答方針などを「AI設定」よりチューニングすることが可能です。
SDXLを使用して画像を生成する
画像生成モデルの一つであるStable Diffusion XLを使用して画像を生成させることが可能です。
試しにstability.aiの公式にも載っている以下の説明文で画像を生成させてみましょう
男子高校生のプロフィール写真
ちなみにモデルやLoRAの指定は出来ず、画像は1度の指示で4枚生成されます。
Japanese SDXL
Japanese SDXLの特徴は「日本文化の理解に基づいて画像を生成」とのこと。
うーん…片手だけポケットに手を突っ込むのが日本文化の理解ってことで合ってます?
SDXL
SDXLの特徴は「入力された文章から画像を生成」とのことで、そのまんまですね。
お前の男子高校生の概念どうなってんねん…な画像が生成されました。
ちなみに生成された画像の1つはややセンシティブな内容だったので掲載は控えています。
(参考)SeaArt AI
Stable Diffusionを利用している可能性の高いSeaArt AIの「クイックAI」機能にて、同様の説明文で画像を作らせてみました。
こっちのほうが断然良いですね。自然なバストアップ写真となっているのもポイントが高いです。
使用した感想
文章生成の方は何かと役に立つような気はしますが、画像生成の方は正直クオリティが低い気がします。
GPT-4とClaude2.1以外の機能は他のサービスで代替が効くどころか他サービスの下位互換に近いですが、まぁ無料で使えると思えばそれもやむなしかもしれません。
まだ新しいサービスかと思うので今後の進歩に期待ですね。