Suno AI(スノ/スーノ/スノー エーアイ)はWebおよびDisocord上で利用可能な音楽生成サービスであり、例えば以下のような歌声入りの楽曲を無料で生成させることが出来ます。
![](https://cdn1.suno.ai/3adc7e78-2224-4b81-ae53-f202735d29c5_a7651cfc.png)
Suno AIにはオープンベータ時代から存在しているDiscord版と後発のWebブラウザ版の2種類がありますが、現在はWebブラウザ版の方が機能も操作感も優れているので、このブログでもWebブラウザ版の使い方について整理していきます。
と、その前にSuno AIの運営組織について簡単に紹介します。
運営組織について
Suno AIはアメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジの「Suno, Inc.」により運営されています。
上の画像はSuno AIのトップページから「About」をクリックした先の下部に掲載されているものですが、自分たちのことを「ミュージシャンと人工知能の専門家(musicians and artificial intelligence experts)」と呼称しており、自信と技術力の高さが伺えます。
いずれにしてもSuno, Inc.は2022年に設立された比較的新しい企業であり、これからの活躍にも期待したいところです。
アクセス&アカウント登録方法
Suno AIの利用にはアカウントの登録が必須です。
Webサイトへのアクセス方法から順に説明していきましょう。
1. 任意のWebブラウザからSuno AIにアクセスする
ブラウザからhttps://suno.com/にアクセスし、画面左下の「Sign In」をクリックします。
2. ログイン方式を選択する
画面中央に「Create your account」と記載されたウィンドウが表示されるので、任意のログイン方式を選択し「CONTINUE」をクリックします。
2024年7月時点で選択可能なログイン方式は以下のとおりです。
- Apple ID連携 New
- Discordアカウント連携
- Googleアカウント連携
- Microsoftアカウント連携
3. ログインできていることを確認する
トップページに遷移後、画面左下の「Sign Up」が消えて代わりにアカウントのアイコンが表示されていること、「Subscribe」の上に手持ちのクレジットが表示されていることを確認できればログインは正常に完了しています。
初回ログイン直後であれば無料プランに属しており、無料プランだと毎日使い切りの50クレジットが補充されます。使い切りなので溜め込むことは出来ません。
生成1曲につき5クレジットを消費することから、10曲は毎日無料で生成可能ということになります。
利用料金について
基本的な機能は無料で利用できますが「より多くの曲を短時間で生成したい」「商用利用したい」となった場合にはサブスクリプション登録が必要です。
メニューの「Subscribe」をクリックすることで以下のようなラインナップが表示され登録が可能です。
サブスクリプション登録により解禁される項目は以下の通りで、Pro PlanとPremire Planの違いはクレジット量のみです。
- 入手できるクレジットが大幅に増加
- 商用利用可能
- クレジットの追加購入(Extra Credits)が可能
- 優先キュー(曲生成時の待機時間減少)
- 生成キューに10曲まで予約可能
- 最新機能へのアーリーアクセスが可能
Suno AIの使い方
音楽を生成する
画面左メニューの「Create」をクリックすると、音楽を生成することが出来ます。
生成モードには2種類あり、作りたい曲のイメージを入力して生成する通常のモードと、歌詞や曲のスタイル、曲名などを自由に記述して生成するカスタムモードが選択可能です。
いずれのモードも1度のCreateで2曲生成されるため、結果的に1度の生成で10クレジットを消費します。
それでは各モードを順に解説していきましょう。
通常モード
基本的には「Song Description」(曲の説明)欄に生成したい曲のイメージを入力して「♫ Create」をクリックすると入力した内容に沿った曲が自動で生成される超絶シンプルなモードです。
入力可能な項目は以下の通り(通常モードのみの機能は赤字)
項目名 | 説明 |
---|---|
Upload Audio | 手元の音声ファイルをアップロードすることが可能。 アップロードした音楽はLibraryに保存され、そこからExtendすることで曲の続きを作ることが可能。 アップロード可能な音声ファイルは6〜60秒以内の尺であり、SunoAIで作成されていないものである必要がある。 活用が難しいですが、好みのリズム・ビートを録音するなりツールで作成するなりしてメロディ部分をSunoで生成する…というのがいい感じかも? |
vX.X | バージョンの指定。詳細は後述。 |
Song description | 生成したい音楽を説明する文章。 英語でも日本語でも判別してくれますが「◯◯な◯◯」といった意味になるように文章を組み立てると良い曲が出来やすい気がします。 |
Instrumental | 有効にするとインストロメンタル(オフボーカル)の曲が生成される。 |
バージョンに関しては特段の拘りがない限りはV3以上を選択すると良いでしょう。曲の長さや音質がV2よりも優れています。
具体的には以下のような違いがあります。
比較対象/バージョン | V2 | V3 | V3.5 |
---|---|---|---|
初回生成時の曲の長さ | 最大80秒 | 最大120秒 | 最大240秒 |
Extend時の曲の長さ | 最大60秒 | 最大60秒 | 最大120秒 |
Extendを含めた1曲の最大長(※) | 約180秒 | 約180秒 | 推定240秒以上 |
音質 | 普通 | 良い | 良い |
生成時の特徴 | ・イントロ、アウトロが生成されないことが多い ・メタタグはある程度反映される |
・イントロ、アウトロが生成されることが多い ・一部メタタグが機能しない ・ハルシネーション(幻聴)が多い |
・完成された曲が生成されることが多い ・稀にボーカルの音質が良くない ・メタタグはある程度反映される |
※ 1曲の長さが指定の秒数を越えると生成時に精度が落ちる
カスタムモード
通常モードで物足りなくなった場合は「Custom Mode」のトグルスイッチをクリックすることで、より詳細な設定ができるカスタムモードへの切替が可能です。
入力可能な項目は以下の通り(カスタムモードのみの機能は赤字)
項目名 | 説明 |
---|---|
Upload Audio | 手元の音声ファイルをアップロードすることが可能。 アップロードした音楽はLibraryに保存され、そこからExtendすることで曲の続きを作ることが可能。 アップロード可能な音声ファイルは6〜60秒以内の尺であり、SunoAIで作成されていないものである必要がある。 活用が難しいですが、好みのリズム・ビートを録音するなりツールで作成するなりしてメロディ部分をSunoで生成する…というのがいい感じかも? |
vX.X | バージョンの指定。 |
Lyrics | 歌詞。 主要な言語は大体カバーできており、複数の言語を合わせることも可能。 適当に入力してもいい感じの曲が生成されますが、メタタグを使うことで曲調をある程度コントロールする事もできる(後述) ちなみに「Generate Lyrics」をクリックすると入力済みの歌詞を解釈していい感じに続きの歌詞を生成してくれる。入力欄が空白の場合は「Make Random Lyrics」となり完全におまかせ。 |
Instrumental | 有効にするとインストロメンタル(オフボーカル)の曲が生成される。 |
Style of Music | 曲調。 「pop」や「rock」などのジャンルを入れたり「drums」や「guitar」などの楽器を入れたりすると曲に反映される。 複数のキーワードを組み合わせることも可能であり、例えば私の場合は「fast aggressive symphonic metal, strings and drums, chorus group, combat style」など入力したりします。 キーワードを分ける際はカンマ+半角スペースで。 |
Title | 曲名。 曲の生成後であっても曲名の変更は可能ですが、Video形式(MP4)でダウンロードした際に画面上に表示される曲名は最初に付けたもので固定されるため、曲の初回生成時にちゃんとしたタイトルを付けておくのがベター。 |
歌詞を自分で創作できるのがカスタムモードの最大の特徴ですが、そこで入力可能なメタタグとして以下のようなものがあります。
メタタグ | 意味 |
---|---|
[Intro] | イントロ、曲の導入 |
[Verse] | Aメロ |
[Interlude] | 間奏 |
[Bridge] | B(C)メロ |
[Pre-Chorus] | サビ前の盛り上がる部分 |
[Chorus] | サビ、曲のメイン |
[Outro] | アウトロ、余韻 |
[End] | 曲の終わり、インスト、フェードアウト |
上記は一例であり実際はより多くの種類があります…が、公式サイト上でリスト化されているようなことはないので、自分で曲を生成しながら色々と試してみると良いでしょう。
それでは、標準モードとカスタムモードのそれぞれで生成してみた曲を聴いてみましょう。
曲構成のセオリーとかよくわかってないですが、素人目には普通の曲として成り立っているように思えます。
生成した音楽を編集する
「Create」または「Library」から生成した曲の確認と編集が可能です。
機能がそれなりに多いですが、代表的と思われるものを順に説明していきましょう。
音楽を延長する
Extendをクリックすることで生成した音楽を延長することが出来ます。
大体の説明は上の画像に記載しているとおりですが、Extend fromの解釈には気を付けておきましょう。単純に曲を伸ばすだけであればデフォルト設定で良いかもしれませんが、曲の途中から上書きしたい場合は時間を変更する必要があります。
諸々設定をしたら画面下部の「Extend♫」をクリックすることで、10クレジットを消費して続きの楽曲が2曲生成されます。
そして生成された曲には続きを示す「Part XX」が表示され、「…」をクリックすると曲の結合を意味する「Get Whole Song」が表示・選択できるようになります。
Get Whole SongとExtendを繰り返すことで曲の修正をしつつ長さも伸ばすことが出来ますが、1回のExtendで追加できる曲の長さに制限があること、Extend時は歌詞の解釈があまり上手くないのか歌詞を飛ばしたり入力していない歌詞を歌ったり(ハルシネーション)する点には注意が必要です。
まぁ、注意といってもコチラ側で出来ることはクレジットを積んでトライアル&エラーを繰り返すだけですが……
プロンプトを再利用する
「…」内のReuse Promptをクリックすると、歌詞・スタイル・タイトル・バージョンなどを引き継いで新規の曲を生成することが可能です。
曲の続きを作るものでは無く設定項目を使い回すことが出来ますよ、というだけの機能ではありますが地味に便利だったりします。
曲名やジャケット画像を変更する
「…」内のEdit Detailsをクリックすると曲名やジャケット画像を変更することが可能です。
上の方でも記載していますが曲名を変更してもダウンロードしたVideoの方には変更後の曲名が反映されないため、出来れば最初にちゃんと曲名を入力しておくのがベターでしょう。
また、ジャケット画像については手持ちの画像がアップロード出来るほか、SunoAI上で画像を生成することも出来ます。
生成した音楽を管理する
曲の公開範囲を変更する
Extendボタンの隣りにあるPublicのトグルスイッチをクリックすることで曲の公開範囲を変更することが出来ます。
Publicが有効となっている場合、Home画面におけるNewやTrendingに掲載されることがあるほか、自身のプロフィールに対象の曲がリストアップされます。
曲をプレイリストに追加する
「…」内のAdd to Playlistをクリックすることで、任意に作成可能なプレイリストに追加することが出来ます。
プレイリストの用途は自分が生成した曲の管理がメインですが、プレイリスト自体を公開(Public)して自分のプロフィールに表示させることも可能です。
トレンドなどを確認する
画面左メニューの「Home」をクリックすると、SunoAIのトレンドなどを確認することが出来ます。
それぞれの項目に関する説明は以下の通り。
項目 | 説明 |
---|---|
Trending | SunoAI内で人気のある(バズっている)曲やプレイリストの一覧。 生成した曲をPublicに設定し注目を集めるとTrendingに載る可能性がある。 |
Top Categories | (多分)SunoAI全体で利用頻度の高いスタイルの一覧。 |
Fresh New Categories | (多分)SunoAI全体で最近使われ始めたであろうスタイルの一覧。 |
Liked Songs | 自分がいいねボタン(👍)をクリックした曲の一覧。 |
New | 直近でPublicに設定された曲。ここで注目を浴びればTrendingに載る。 |
Suno Showcase | (多分)Suno運営が気に入っている曲の一覧。 |
Animal Party | (多分)同上 |
High quality, low fidelity: Lo-fi | (多分)同上 |
(多分)の部分が多いですが、詳しい説明や仕様が提示されていないので仕方がないのです…
プロフィールを編集・確認する
アカウントアイコンをクリックして表示されるメニュー上のEdit ProfileやView Profileからプロフィールの編集・確認が可能です。
プロフィールのアクセスURLとなる「Handle」に利用できる文字列は他のユーザーと重複できないので、好きな文字をURLとしたいのであれば早めに設定した方が良いかもしれません。
参考までに、私(@genaisum)のプロフィールは以下のとおりです。
Tips
「Bark」と「Chirp」について
公式のガイドを見ると「Bark」と「Chirp」の記載がありますが、Suno AIは音声に特化した「Bark」と、ボーカルを含む音楽の生成に特化した「Chirp」と呼ばれる2つの生成AIモデルを使用しています。
ということを前提として、Webブラウザ版Suno AIで使われているのは「Chirp」の方です。
Discord版だとBarkを選択することも可能ですが、Barkではメロディが作られないので音楽を生成する目的であれば不要と言えます。
Trendに乗るために必要なこと
自分が生成した曲がTrendに掲載されるためには、生成した曲を公開してから一定期間の間に一定数以上の注目を浴びる必要があります。
注目を浴びるというのはつまり、同時期に生成・公開された他の動画と、再生数といいねボタン(👍)をクリックされた数で競う、ということになります。
フォロワーが大勢いるユーザーであれば簡単に達成できそうですが、そうでなければまずNewに掲載される必要があります……が、Public設定をしたからといって必ずしもNewに掲載されるわけではなく、多少の運要素が絡んでくる点には留意が必要です。
自分で複数のアカウントを用意して人気のある曲に見せかけることでもTrendに乗ることは可能ですが、複数アカウントの利用は規約違反なのでやるとしても自己責任でお願いしますね。
使用した感想
音楽の知識が無くてもなんとなくそれっぽい曲が作れるのは面白いですね。
最近はYoutubeなどでもSuno AIを使用した楽曲を用いた動画が増えてきており、関心度が高まってきているのではないでしょうか。かくいう私もV3のリリースにあわせて以下のような動画を投稿していますし。
…まぁ理想の曲を本気で作ろうと思うと無料枠の50クレジット/日では何日掛かるかわからないので、ハマればいずれはサブスクリプション登録に行き着くのだろうとは思いました。