TensorArt(テンソルアート)

画像生成

TensorArt(テンソルアート)はWebブラウザ上で利用可能な画像生成サービスです。

画像生成時に設定できる項目が非常に豊富であり、凝った画像の生成に強みがあると言えます。

TensorArtは2023年頃にリリースされたサービスかと思われますが運営組織情報は非公開のようで見つけきれませんでした。とはいえプライバシーポリシーや利用規約に明らからな違和感は無いように見受けられたので、少なくとも無料で利用する分には何も支障は無いでしょう。

アクセス&アカウント登録方法

TensorArtの利用にはアカウント登録が必須です。

1. WebブラウザからTensorArtにアクセスする

任意のWebブラウザからhttps://tensor.art/にアクセスし、画面右上の「Sign inをクリックします。

2. ログイン方式を選択する

任意のログイン方式を選択します。

2024年2月時点で選択可能なログイン方式は以下の通りです。

  • Googleアカウント連携
  • Discordアカウント連携
  • Eメールアドレス&パスワード認証
3. ログインできていることを確認する

トップページ右上の「Sign in」が消え、マウスオーバー時にアカウント情報が表示されていればログインは正常に完了しています。

利用料金について

無料プラン(標準ユーザー)でも利用は可能であり各種生成に必要なクレジットも毎日獲得できますが、サブスクリプションへ登録することで生成画像の量や質を高めることが可能です。

上部メニューの「Pro」アイコンをクリックすることで以下のようなラインナップが表示され、登録できます。

サブスクリプション登録で解禁される要素は以下の通り。

  • 毎日のクレジット入手量が3倍
  • 同時タスク数が3倍
  • キュー内タスク数が10倍
  • 1度に4枚まで画像生成可能
  • 選択できるアップスケール倍率の増加
  • 選択できるサンプリングステップの最大値が増加
  • 選択できるアップスケールステップが増加
  • LoRAとControlNetの選択可能数が増加
  • 画像の保持期間が2ヶ月に延長
  • プライベート(非公開)設定が可能
  • 1日の投稿限度が2倍
  • 並行トレーニングタスク数が2倍

至れり尽くせりな特権と言えます。

1回だけ購入可能な1日限りの「1-day Pro Plan」がお求めやすい価格となっているため、ある程度TensorArtの操作に慣れてきたあたりで今後も継続利用するか迷うようであれば、課金してみるのも悪くないかもしれません。



なお、アカウント情報の「My Credits」をクリックすることで、Proプランへの加入可否に関わらずクレジットのみを購入することも出来ます。

他にもクレジット獲得の手段は割と豊富にあります

TensorArtで出来ること

テキストから画像を生成する

トップページ上部の「Create」をクリックし画像生成ページへ移動した後、「Text2Img」タブを選択するとテキストから画像を生成することが出来ます。

設定内容を上から順番に見ていきましょう。

1. 「モデル」の項目を設定する

画像の元となる「モデル」や画像を拡張する「LoRA」などを選択します。

「モデル」欄で選択可能な項目は以下の通り。

ベースモデル 画像のベースとなるモデル。大量に存在する中から1つを選択する。
SDXL Refiner チェックを入れることで画像の品質が向上する
LoRA モデルに追加する要素。特定の用途に絞ったものが多い。
Embedding Stable Diffusionにおける意味合いはネガティブワードなどを詰め込んだ学習セットだったりしますが、TensorArtでの使用方法は不明…
ControlNet 画像の構図やポーズ、カラーなどの指定が出来る機能。
VAE 画像の品質を上げるエンコーダー。カメラにおけるフィルターのようなもの

画像生成モデル(≠ベースモデル)にStable Diffusionを使用しているようで設定項目が多岐に渡りますが、まずは「ベースモデル」「LoRA」あたりに絞って動作を試してみると良いでしょう。

2. 「プロンプト」を設定する

具体的にどのような画像を生成したいかを指示する文章(プロンプト)を入力します。

「プロンプト」欄で入力可能な項目は以下の通り。

プロンプト 生成させたい画像の説明。基本的には英単語をカンマ区切りで羅列していく。多少のサジェスト(入力補完)機能も有り。
ネガティブプロンプト 画像に含めたくない要素の説明。

プロンプトに関してはLoRAを選択した際に対応する単語が自動で入力されることもあります。

ネガティブプロンプトに関してはある程度のお約束とも言える入力内容がありますが、まずは以下のような単語を入力してみると良いかもしれません。

  • worst quality:2.0
  • EasyNegative
3. 「設定」から各種パラメータを設定する

画像サイズや生成方式などの各種設定を行います。

「設定」欄で選択可能な項目は下記の通り。

画像サイズ 生成する画像のサイズ。
サンプリング法 AIによる画像生成の方式。基本的に「DPM」系は高品質な画像が生成されやすい
LCM チェックを入れるとサンプリング法がLCMで固定される。
サンプリング回数 画像生成における処理数。数値が高いほど描写が細かくなるが処理時間も増える
プロンプト関連度 画像生成に対するプロンプトの反映割合。数値が高いほどプロンプトの内容が反映される
シード値 最終的に生成される画像の傾向。シード値が変わると画像の構成・構図も変わる
クリップスキップ プロンプト関連度のようなもの。
ENSD ノイズを制御する設定。0か31337を設定するのが主流
4. 「高解像度修復」の項目を設定する

アップスケールや画像の修正に関する項目を設定します。

「高解像度修復」欄で設定可能な項目は以下の通り。

拡大率 画像の解像度
修復方法 生成される画像の修復方法。写実的な画像向けやアニメ画像向けなど、方法によって得意とする画像の傾向がある。
高解像度修復サンプリング回数 画像生成における処理数。数値が高いほど描写が細かくなるが処理時間も増える
デノイズの強さ 修復の度合い。数値が高いほど修復内容が強く反映され、結果的に元の画像からかけ離れたものが生成される割合が高くなる
5. 「ADetailer顔面修復」の項目を設定する

人の顔や手など、きれいに生成されにくい部位に関する修復の設定を行います。

「ADetailer顔面修復」で設定可能な項目は以下の通り。

ADetailerモデル 修復の対象領域を選択。顔(face)、手(hand)、全身(person)に対応した複数のモデルから1つ選択可能
ADetilerプロンプト 修復箇所に対する追加のプロンプト
ADtailerネガティブプロンプト 修復箇所に対する追加のネガティブプロンプト
検出モデルの信頼度のしきい値 生成画像に対する修復判定箇所のしきい値。数値が低いと検出される範囲が狭くなり、数値が高すぎると意図しない箇所も修復対象とみなされる傾向にある
インペイントマスクのぼかし エッジフェザリングの強度。数値を小さくするほど境界線がシャープになる(輪郭がぼやけなくなる)
デノイズの強さ 修復の度合い。数値が高いほど修復内容が強く反映され、結果的に元の画像からかけ離れたものが生成される割合が高くなる
マスク部分のみインペイント マスクした部分のみを修復の対象とする設定…だと思いますがText2Imgでこの機能が有効なのかは不明
6. 「生成」をクリックして画像を生成する

設定が完了したら画面下部の「生成」をクリックして画像を生成します。

なお、消費クレジットは設定した内容と画像数によって大きく上下します。

というわけで諸々設定してみて生成された画像がこちら。なんかすごいパンクなファッションの女性が生成されました。

画像から画像を生成する(バリエーション生成)

トップページ上部の「Create」をクリックし画像生成ページへ移動した後、「Img2Img」タブを選択すると手元の画像を元にして新たな画像などを生成することが出来ます。

各設定項目はText2Imgと同様ですが、アップスケールや修復のみを行うことも可能です。

テキストから動画を生成する

トップページ上部の「Create」をクリックし画像生成ページへ移動した後、「アニメート」タブを選択するとテキストから1秒のgif動画を生成することが出来ます。

設定可能な項目はText2ImgやImg2Imgと概ね同じですが以下のような違いはあります。

  • 選択可能なモデルが異なる
  • 修復関連の項目はない
  • アニメート特有の設定項目(フレーム数、FPS)がある

また、消費クレジットは画像生成と比べて遥かに大きく、フレーム数を16、サンプリング回数を20とした場合は生成1回につき約13クレジットを消費します。

というわけで試しに生成してみたものが以下。

なんともアートな表現をしています。

使用した感想

設定項目が非常に多く理想の画像を生成するには慣れが必要ですが、使いこなせるようになると一気に表現の幅が広がるようには思えました。というかこれもうStable Diffusionそのものですね。

類似サービスのSeaArt AIとは好みで使い分ければ良いというか、むしろ両方のアカウントを作成してより多くの生成経験を積むことが最良かと思われます。

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